14 すれ違う気持ち

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「え?」 ハルは自分の頬を触った。 指先にぬれた感触があった。 私の涙? あまりにポロポロと出てくるので、手ではぬぐいきれない。 「おい!」 秋が呼ぶので見上げると、その雫を秋の袖口が吸ってくれた。 「なんでお前が泣くんだよ」 そう言いながらも、秋は怖い表情ではなかった。 その表情が嬉しくて、ハルは思わず笑ってしまった。 「今度は笑うし。わけわかんねーな」 秋もつられて笑った。
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