14 すれ違う気持ち

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電車を降りてからも、わけのわからない笑いが止まらなかった。 「秋、私ね」 息も切れぎれに、ハルが口を開いた。 「秋が好き」 笑っていた秋が、急に真面目な表情になった。 「秋が好きなの」 ハルはまた涙が出たけれど、秋がそれをぬぐうことはなかった。 「秋さ、悲しむことないよ。ずっと大事な人がいるって幸せじゃない。だから好きになって良かったんだよ。私はそう思う」 「ハル」 「さて、学校へ行きますか!」 ハルはわざと元気に言った。 「ちょっと待てよ!」 先を急ごうとするハルを、秋は止めた。
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