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電車を降りてからも、わけのわからない笑いが止まらなかった。
「秋、私ね」
息も切れぎれに、ハルが口を開いた。
「秋が好き」
笑っていた秋が、急に真面目な表情になった。
「秋が好きなの」
ハルはまた涙が出たけれど、秋がそれをぬぐうことはなかった。
「秋さ、悲しむことないよ。ずっと大事な人がいるって幸せじゃない。だから好きになって良かったんだよ。私はそう思う」
「ハル」
「さて、学校へ行きますか!」
ハルはわざと元気に言った。
「ちょっと待てよ!」
先を急ごうとするハルを、秋は止めた。
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