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「......ってことで、散りました」
ハルは颯太に今朝の告白の話をしていた。
「......」
颯太は返事につまっていた。
「そうか」
「私も秋も似た者同士だよね。お互い叶わぬ恋をしてさ。まさかユメさんまでとはね」
ハルはそこで言葉を切った。
目の前にはグランドが広がり、運動部が大きな声を出して練習をしている。
空が赤く染まり始めていた。
秋は進路相談で佐原に呼ばれているので、ハルはそれを待っているのだ。
「秋と帰るの?」
「うん」
「大丈夫?」
「うん。だって秋が一緒にいたいって言うんだもん」
「いや、それはさ」
「分かってるよ、こういうことじゃないって。でも私は側にいられる内は側にいたいの。それだけ」
ハルと颯太の間を風が吹き抜けた。
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