1 告白未遂

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「それで? 何を知りたいの」 秋が口を開いたのは、人気の無い公園のベンチに並んで腰掛けてからだった。 「その、どんなところに惚れたわけ?」 「んー、声......とか。」 「声?」 今度は私が無言になる番だ。 声か。 これはもう、天性のものだ。 「あとは?」 「あとは......なんかわからんけど、話しかけられた時にドキドキしたからかな。今もちょっとした仕草でドキドキする」 「......」 マラソンの後に話しかけたら、誰にでも同じように思うのだろうか。
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