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「なんていうかさ、理屈じゃないんだな。こういうのって」
締めの言葉が聞き慣れた文句過ぎて、何故か胸が熱くキュッと締まった。
「じゃあさ、他の子が挟まる隙間なんてないんだろうね」
「......あ、ああ。そうだな」
立ち上がって、応援団長みたいな仁王立ちをして秋の真向かいに立ちはだかった。
秋は驚いて私を見上げていた。
でも、私は深呼吸をしてから言葉を続けた。
「もし人生の半分以上を秋と一緒に過ごしていたとしても、ほんの1ミリも可能性がないってことなんだね」
一息で言い終えて、秋を見つめた。
多分、半泣きだ。
鼻に涙がおりてきているのが分かる。
でも、もう冷静な仮面はかぶっていられなかった。
秋は目を合わせたまま押し黙った。
「ハル、どうした?」
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