頼れる友人

12/15
前へ
/30ページ
次へ
私の携帯が震えたのは、全て話してスッキリしたときだ。 私は「ごめんね、出るね……」と、友梨香に断りそれに出る。 電話口の人は運転手だった。 「もしもし」 「奥様、今どちらですか?」 「お、お友達のお家です」 心配かけてしまったのだろうか、さすがに彼には連絡取るべきだったのかもしれない。 「旦那様はお帰りになられています。お迎えに伺いたいのですが」 それは間接的に帰れということだろうと、私は慌てて「はい」と、答えた。 私は大学の校門に戻るといい、うしろ髪をひかれる思いで、友梨香の家をあとにした。 運転手はもうそこに待っていて、扉を開き立っていた。 私が慌てて乗り込むと、あの家の方向に進み始める。 帰りたくない。 あの冷たい顔した男に会うと思うと、身体が震えるような気さえする。 ただ、話をできる友人ができたことで、少し、私の心は軽くなっていた。
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

21477人が本棚に入れています
本棚に追加