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私の携帯が震えたのは、全て話してスッキリしたときだ。
私は「ごめんね、出るね……」と、友梨香に断りそれに出る。
電話口の人は運転手だった。
「もしもし」
「奥様、今どちらですか?」
「お、お友達のお家です」
心配かけてしまったのだろうか、さすがに彼には連絡取るべきだったのかもしれない。
「旦那様はお帰りになられています。お迎えに伺いたいのですが」
それは間接的に帰れということだろうと、私は慌てて「はい」と、答えた。
私は大学の校門に戻るといい、うしろ髪をひかれる思いで、友梨香の家をあとにした。
運転手はもうそこに待っていて、扉を開き立っていた。
私が慌てて乗り込むと、あの家の方向に進み始める。
帰りたくない。
あの冷たい顔した男に会うと思うと、身体が震えるような気さえする。
ただ、話をできる友人ができたことで、少し、私の心は軽くなっていた。
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