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「すみませんね、
まだ高校を卒業したてで常識知らずな面も多くて」
「いえ」
男は私をちらっと見ると父に視線を向ける。
その目も凄く冷たい。
人間じゃないみたいだ。
それが私の彼への印象だった。
そんな男なのに父は気に入られたくて必死だ。
「葉月は見ての通りまだ子供ですが、
大人しい性格です。
共哉君に気に入ってもらえると有り難い」
何故ここまで父は腰が低いのか、
この時はまだ知らなかった。
父の経営する百貨店が昔と変わらないやり方で、今の時代にそぐわない高値で高級志向な商売方法のため大赤字が続き、
土地も売り飛ばさなければならないほど困窮していることなど、
この時の私は知らなかったのだ。
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