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コンコン。
何気なくノックする。
その時に何か聞こえて来たことありません?
コンコン。
コンコン。
コンコン。
コンコン。
よーく耳を澄ませて聞き取って?
何かが鳴いてるよ?
コンコンって
コンコンと言えば。
そう。
お狐様。
あらゆるドアにお狐様が宿ってるの。
ドアをノックするってみんな当たり前にやるでしょ?なんでだと思う?
ドアの中のお狐様がノックさせてるんだって。
コンコンとお返事出来る様に。
コンコンとお返事したら…
もうドアからは自由の身。
「よーし!やっと自由だー!」
生まれたばかりのお狐様。
これからどう成長していくのかな?
「何しようかなー?ここは何処なんだ?」
当たりをキョロキョロ見渡すと目の前に寝転がってる猫と人間のオスがいた。
「よし。イタズラしてやろ。」
くふふ。と笑いながら猫と人間に近づく。
猫の目の前に来るとうるさそうに片目を開けて猫に睨まれた。
うっ…怖いと思った。
なんせ初めて見るものなのだ。
ドアの中の世界はお狐様達しか居ないのだ。
コンコンとノックしてもらえるまでドアの外の世界には出られない。
自分がドアのすぐ側にいればノックさえしてくれれば外に出られるのだ。
そう今回はたまたまノックしてくれたドアの前に自分がいたのだ。
とても幸運だと思った。
この得体の知れないどっしり構えている猫とやらの近くに行くまでは。
お狐様しか見たことがないはずなのに何故猫や人間を認識出来るかって?
お狐様の世界にも情報と言うものは大事なものだと認識はあるのだ。
人間はこんな形。猫はこんな形。
外見の情報しかなかったが姿形が同じなので分かったのだ。
あくまで外見のみ。
猫がこんなに怖く睨んで来るなんて情報はなかったのである。
なので、怖い。
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