第1章

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※※※※田中ちゃん※※※※ 「うん、上手だったぞ。 今の感覚を忘れるな。」 珍しく教官が褒めてきた。 上手?とんでもない。 ただクランクで一度も切り返さなかっただけ。 すごい時間かかってたし、チラチラと私の顔を見ていたの知っているんだから。 でも、嬉しかったのは本当。 馬鹿にした様なニヤケた顔も、媚びを売っている様な猫なで声も、今日は許してあげれる気分。 「このままいけば、次の次で見極めだぞ? 学科は……今日で終わったのか。 じゃあ、練習問題沢山解いておけよ。」 またまた偉そうだ。 ん?見極め? って事は、間もなく路上訓練に入るのね。 あとから来た学生さんが、先に路上に行ってたから焦ってたんだよね。 そのせいか、「ありがとうございます」なんて機嫌良く挨拶できた。 おや?教官が無理してない自然な笑顔じゃないですか? そんなに私のクランクが嬉しかったのかな? 次の予約もこの教官だから、うん、判子はくれるでしょう!
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