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「貴方に一言やろう」 「は、はい」 「こころして聞け」 「はあ」 リアルの価値。 リアルの価値。 リアルの価値。 リアルの価値。 「――うるさいから黙秘権を使ってくれ。むしろ失せろ」 「え」 紺は宇宙の色。青と黒の途中。大人になると途中が増えるね、白と黒をくっきり分けられなくてグレー。カンバスに星を描きこんでいた筆を放り出し、宇宙色の一面にスカイブルーをぶちまける。彼のやることはいつも唐突だ。 「猛烈に反省しろ、此処は客お断りの店だ。特にピーチクパーチクうるさい客を私は個人的にとても出禁にしたい」 「……」 「おぅいコースケー、いそうろうの分際で勝手にオレの客追い払ってんじゃねぇぞー、つうか店のど真ん中で絵の具使うなっつってんだろ臭ぇんだよ」 「ち。店長の分際でやかましい」 「おいコースケよ。ばっちし聞こえてんぞ」 あああ私はどうかしていたんだ、と猛烈に反省した。もしもこれが小説だったならこんなにひとりよがりな展開ってありえないし、普段私はこんなこと吐露する人間ではない、迷惑かけてまで彼に言う事柄じゃなかった。
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