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「……出ます」
執筆道具であるスマートフォンを握りしめ、私は飲みかけのコーヒーを置き去りに席から去った。まずは順を追って綴る必要があると思った。
大学四年生の女の子が教育実習を終えて、教採つまりは教員採用試験も終えて、合否通知の封筒をポストに見つけた日がスタートだ。
どうせ落ちていると考えつつも開ける勇気が出ず、A4の茶色い封筒を手にふらふらと隣のカフェへ入った。
夏真っ最中のギラギラの日差しとそして気温は、地球上の生物全部をいっぺんに殺しにかかっているくらいとち狂っていて、当然のように私はアイスコーヒーを注文したのだった。
大量の汗をタオルでせっせとぬぐい、冷房とバラッドのかかる店内でぼぅっと酸素を眺めていた。からだが冷えていって頭も冷めていく。びりべりべりり。薄い紙が一枚入っていて短い文面が印刷されていて、中央あたりに、
「見事不合格だな。で、これはなんの通知だ?」
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