第1章

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町の郊外に咲く、向日葵畑の向日葵たちが枯れ始めて夏の終わりを知らせている。 希は、その郊外にある向日葵荘に住んでいる。 希の住んでいる向日葵荘のアパートの隣は何時も空いていた。 誰もそこに入らないらしい。 向日葵荘の住人である後手さんは一階に住んでいるのだが、希の隣の部屋の事を尋ねると 「あそこには誰もすまないよ。大家さんがね。あそこは開けているんだよ。」と言うのだ。 何故なのか理由が知りたいと思った。 希は後手さんに聞いたが、後手さんは答えてはくれない。 希は気になるけど、それ以上は聞けなかった。 ある日、希が大学から帰ってくると、隣の部屋で何やらゴトゴトと音がする。 希は、後手さんはこの部屋には人は入らないって言っていたのに。 希は大学の勉強をしながら、隣を気にしていた。 「ま、いいか挨拶に来るだろうしね。」と思っていた。 次の朝、ドアのチャイムが鳴る。 希は、「はいどなた。」と声をかける。 ドアの向こうでは「朝早くからすいませんね。昨日引っ越してきた。猪田と言います。あのうご挨拶に伺ったのですが。」と言う。
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