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少女サクラは、ゆっくりと深呼吸をして肺一杯に空気を入れる。
「はい、確かにいい匂いがします。甘い蜜のような香しい匂いがするわ」そう言うと、サクラは、鼻を鳴らしながら匂いを嗅いでいた。
風に乗りその匂いが鼻の奥にまで広がっていく。
その香りを嗅ぐと体の中にある、自分の蝶族の血が騒ぐのだ。
これが一族の一員であることを知らせているのか。
どういう人物だろう。早く会いたいと思うサクラだった。
サクラの父親の名前は、蝶野信也といい、母親の名前は蘭子と言う。
香港と日本を行き来する為に二つの名前を有していた。
香港で使う名前と日本で使う名前だ。
主に、日本で使う名前の方をよく使っている。
親子3人はこのマンションに住むことになる。
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