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そんなこんなで、再び所変わって生徒会室。
…ちなみにマスターはまた置いてきた。
生徒会室では先程までとはうって変わって、真面目?な話がなされていた。
明日、人類の敵である"クロ"…それも、ランクAのものを討伐しにいく、と。
その話を聞き、撮影班も慌ただしくなり始める。
クレイジー「カース、ワディ。撮影しやすい場所は見つかったか?」
無線を使い、クレイジーが連絡を取るのは偵察として出ている二人だった。
カース『あぁ。…というより、元から開けた場所にいる』
ワディ『このまま移動しなければ、大丈夫ッスよ!』
クレイジー「了解。…アビス!」
アビス『安心しろ、わかってるって。逃げそうになったら俺様が止めてやるよ』
クレイジー「頼んだ」
ユキト「乱入の可能性は?」
ワディ『今のところ、近くにはアーイさんしかいないッス!』
ユキト「ほんなら大丈夫やな」
クレイジー「後は…マスター!マスター!!」
マスター『…ハッ。な、なんでしょう!?』
ようやく我に返ったのか、裏返り気味のマスターの声が無線から流れてくる。
クレイジー「お前は噂ばら蒔きに行け!『生徒会長含めランクA4名が、明日ランクAのクロを狩りに行く』と」
マスター『りょ、了解です!』
慌てた声が響き、無線からぱたぱたと足音が聞こえた。
一通りの指示を出し終え、クレイジーはユキトに振り返る。
クレイジー「明日はそれなりの数のアーイがいる場所での撮影だ。お前には護衛をやってもらう」
ユキト「りょーかいや」
ニッと笑って頷くユキト。それは撮影開始以来…それどころか、入学以来初めての戦闘であるにも関わらず、余裕を感じさせる笑みだった。
クレイジー「そんじゃ、本番は明日だ!気合い入れてくぞ!!」
『おー!!』
…撮影班の心が初めてひとつになった瞬間だった。
ユキト「…あれ?アーイって何処にでもおるんやないの?皆さん戦えるんやないの?」
クレイジー「戦えるけど…めんどくさいじゃん」
ユキト「…ほんで、新入生に押し付けると?」
クレイジー「おう!」
ユキト(これ、どこに直訴したらええんやろ…)
どっかに苦情出したろ、と心に決めたユキトだった
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