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──旧都市A地区にて。メインの出演者達から少し離れた場所から、撮影班は様子を見ていた。
ユキト「んー…やっぱり、アーイはかわええなぁっと」
といいつつ、撮影班に向かってくるアーイを槍で切り裂いていくユキト。
クレイジー「お前…容赦ねぇな」
ユキト「かわええ言うても、俺からしたら敵は敵やし。
ところで、中々本命の敵さん出てきはりませんなぁ」
マスター「確かにこの辺りにいると、カースさん達が言ってたんですけど…」
困り顔で話しては通信機で連絡を取ろうとするマスター。だが、
マスター「…駄目ですね。連絡が取れません」
ユキト「この辺、通信状態悪いんやなぁ」
クレイジー「お…牙神がなんかするらしいぞ」
出演者の一人がなにやら魔法陣を展開し始める。慣れているのか、平然とした顔で眺めるクレイジー達とは対照的に、おー…と興味津々といった様子で魔法陣と術者を見詰めるユキト。魔法を発動する姿がカメラに映り、
ユキト「…!あかん、伏せろ!!」
ユキトの鋭い叫びに、咄嗟にクレイジーが伏せ、マスターが「え?」と首をかしげた瞬間。
瓦礫から、大量のアーイが飛び出しわらわらと溢れてきた。
そして押し退けられた瓦礫の一部が跳ねてきた。撮影班の方に。
…具体的には、マスターの顔面に。
マスター「おぷっ」
間の抜けた声と共に、倒れていくマスター。
この時のことをルーウェインが振り返って曰く、
「全てがスローモーションに見えた」そうだ
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