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「…はぁ…はぁ…!」
「ぉ…お母様…!」
「王子…!竜上さん!何とかなさい!」
「…何とかって言われてもね~…☆」
…さて、どうするよこの状況。…正直訳が分からな過ぎて死んだ方が楽な気がするけど…。
「…おいお前。」
「ひゃ!ひゃいっ!」
「…。…お前、『白百合 王子』なのか?」
「そ…そうでしゅけど…。はわわ…!」
「…。ふぅー…。」
…ちょっと頭が痛くなる弱虫っぷりだ。
「…お前、その名前どう思う?」
「え!?そ、その…お母様の付けてくれた名前ですし有り難くはあるんだけど…ちょっと他の人からの目が気になるかなぁって…?」
「…そうか。…僕もだよ♪」
『…!』
『王子』から手を放し、上に上げる。
「…信じて欲しいなんて思わないけど。
…僕は『白百合 王子』なんだよ。…いや、勘当されてるし白百合姓を名乗るべきじゃ無いかもだけど。」
「そんな話…「信じないって言うならどうぞ殺してくれ。…いや、やっぱ死ぬ前に一言。
…『王子』、さっきは泣かせちゃってごめん。…あと、何か訳分かんない奴でごめん。
…さぁ、殺せよ?」
『…。』
…何を思いあぐねているのか、誰一人として、僕を傷付けようとする者はいなかった。
「…ぁの…。」
「ん?気持ち悪いから勝手に死んでって?りょーか…「そうじゃなくてっ!」
「…はわ…ごめんなさいっ!」
「…いや、今のは僕が悪いだろ。」
「…でも…でもぉ…。」
「分かったから、言うことあるならさっさと言ってくれ。全身から血流してんの見えない?死にそうなんだよ…。」
「は、はいぃ!ごめんなさぁい!」
…全く、同じ名前でどうしてこうも違うんだか。
「…ぁの…。貴方が『王子』だって言うの、私…信じます…。」
「…。」
逆だったら絶対信じないだろうけどな。
「…だから…その…この方を助けて戴けませんか?お母様…。」
「…ワタクシは信じておりませんし…被害だって受けてい…「それはこの方も一緒です…!」
「…。」
…何だか胸が痛んだ。…こいつは母さんとも上手くやってそうなのに、僕なんかの為に…って。
「…そこまで仰るのなら…仕方ありませんわね。…ただし、その方がワタクシ達に害を為すのであれば…。 」
「…約束して戴けますか?『王子』さん。」
「…あぁ。」
そもそも殺せって言ってる奴が抵抗も何も…まぁいいか。
「…よろしく『王子』。」
「…はいっ♪」
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