あなたの眼鏡になりたい

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「なぁジョー、お前が言ってた『先輩の眼鏡になりたい』って……どういう意味?」 ………!! や、やっぱり、聞かれてたんだ!! じゃあ、私が先輩の事を好きだっていうのも、とっくにバレてしまっているの……? 「……眼鏡だったら、ずっと先輩のそばにいられるじゃないですか。それに………」 「それに?」 「眼鏡って見えないものを見えるようにしてくれたり、そうじゃなくても印象を変えたり、目を守ってくれたり、役に立ってるでしょ。私も眼鏡のように先輩の役に立てたらなって………」 もうこれって遠まわしな告白、だよね? 「先輩、ここからテニスコートを見てたんですか?全然知らなかったです……。それに私たち毎日そこのベンチでお昼食べてお喋りして……。それも全部聞かれてたってこと、ですよね?あの、私……」 「ああ、全部聞こえてた。今日だって、俺との約束破って2人だけの秘密を早速友達に暴露してたよな…?」 あ、ヤバイ!! あれも聞かれてたんだ……どうしよう? 「えっと、あれは不可抗力だったというか…。すみません!」 「問答無用。もし誰かに知られたら、どうするんだったっけ?言ってみろよ」 「え、あ、あの。それは、その……」 「忘れたのか?忘れたのなら、思い出させてやろう」 そういえばずっと手首を掴まれたままだったって事に、気が付いた。 に、逃げられない。 私の手首を掴んでいないほうの手で、かけっぱなしだった眼鏡をすっと取られてしまった。 「え!私にくれるって言いませんでした?先輩」 「何言ってんだ。この眼鏡はもうお前のものだ。」 じゃあ、どうして外されちゃったの? 「邪魔だからな……当たったら痛いし」 そう言いながら私をグッと引き寄せ、耳元にキスするかのように唇を寄せて、囁いた。 「お仕置き、だろ。嫌とは言わせないからな………かほる」 眼鏡が邪魔になるっていう意味を理解した瞬間に、そっと目を閉じてフィリップ先輩のお仕置きをドキドキしながら待っている。 金木犀の甘い香りとともに………。 ~END~
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