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レンズ越しに見える
ハルの目が不安げに揺れていた。
両手がそっと、俺の顔にふれる。
「なんでもないよ」
近づいていた顔にチュッとキスすると
途端にハルは耳の先まで真っ赤になった。
……って。
まるで処女じゃんか。
あ、いや、ついこの間まで処女だったもんな。
教師と生徒なのに、
ってちょっと抵抗されたあの日。
まさか二十四にもなって
処女だなんて思わなくて。
そう告白されて吹いた俺に
怒ったハルも可愛かった。
「なに?そんな顔して。
もっと先までやって欲しいの?
でも学校だしなー」
「ち、ちがっ。
もう、ユウくんの意地悪!」
そっと抱き寄せると再び唇を重ねる。
……その感触を、
忘れないように記憶に刻み込むように。
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