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「それに、シンデレラだと手に届かない気がするから、灰かぶり姫くらいでちょうどいい」
そう続けると、何を思ったのか、姫良は正面にまわりこんできた。
紘斗は足を止める。
「貴刀は……重荷になってる?」
「重荷じゃないと云いきったら嘘になる。けど、そういうことを云ったんじゃなくて、素のおれを受け入れてほしいし、姫良にも着飾ることなくそうあってほしいってことだ」
姫良のくちびるがくっきりと弧を描く。
「すごく大事なことを云われた気分」
紘斗も笑みを浮かべたが、それには応えなかった。
「明日、大学、行かないって云ってたな?」
「うん」
それで? というかわりに姫良は首をかしげた。
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