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──4月22日。
ここは会社からの最寄り駅に近い場所にある、喫茶店。
なんだかものすごく気が重い。
来なきゃ良かったな…なんて本気で後悔し始めたその時、向い合わせで座っている彼女が沈黙を破った。
「突然呼び出して、ごめんなさいね。用件は……分かるでしょ?」
佐伯主任の元カノ、高柳夕梨さん…。
「分かりません。仕事の話ですか?それならわざわざ外で会わなくても、会社で…」
「違うわ!……翔のことよ。あなたたち付き合っているんでしょ?」
…………覚悟は一応してたけど。
「どうして高柳さんがそんなことを気にするんですか?」
「先週末、彼が休日出勤してたのは知ってるかしら?私もだったの。彼に頼まれたのよ……手伝って欲しいってね」
「そうですか…」
主任から仕事を頼むなんて、よっぽど忙しかったのかしら。
高柳さんが早く教事1課の仕事に慣れるように配慮してあげたのかも。
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