1人が本棚に入れています
本棚に追加
一回僕の部屋に寄ってもいいかな?
そういうセンパイに付き合って、私はまずセンパイの住むアパートに着いた。
「なにを持ってきたんですか?」
私を外で待たせてから一分もしないで戻ってきた、割と大き目の茶封筒を手にするセンパイに尋ねると、
「ないしょ」
って、はぐらかされてしまった。
そんなこんなしているうちに、目的地に到着。
「ここが、私のアパートです」
「うん、知ってる」
「なんで知ってるんですか」
「何度も笹垣のこと家まで送ってやったろ?」
そういえばそうでした。
私達は階段を登り、例の時を駆けるかもしれない郵便受けの前に立つ。
「今日は居ないといいな。岡田さん」
「なんで岡田さんを知ってるんですか」
「さっきの手紙に書いてあったろ」
そういえば、そうでした。
「で、どうするんです?」
「そりゃ、実際にしてみるんだよ。本当に未来と繋がってるかどうか」
センパイは徐に手に持った茶封筒を郵便受けに差し込んだ。
バスケットのダンクシュートのように勢い良く振り下ろされたそれは、私が止める間も無く、郵便受けに吸い込まれていく。
「ちょっ、センパイ」
「見てみろよ。笹垣」
私を制し、センパイは郵便受けの挿入口を指で押さえ、中を見ろと促す。
私は渋々、センパイの指示に従い、郵便受けを覗くと、
「封筒がない」
確かに入れたはずなのに。
最初のコメントを投稿しよう!