お(隣)付き合い。

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ぴんぽーん。   不意に私の部屋の呼び鈴が鳴る。 「‥‥‥来たんだ」   顔も見ていないお客さんが誰なのかを、私は既に知っていた。   それは私が待ち焦がれた、けれど絶対にセンパイではない誰か。 『明日、愛ちゃんに逢いに行くね。 ナナセ』   昨日、最後にナナちゃんがくれた手紙。 まさか本当に、文通してるリアルタイムで会いにくるなんて思ってもなかったけれど。 過去の私に、未来のナナちゃんが何故会いに来れたかのかを思考する元気は私には残っていない。   私はよたよたと、玄関に歩みを進める。   着替えをする気力もなかった。けどナナちゃんならそんなだらしのない私を見ても許してくれる気がした。   むしろ、憔悴しきる私を心配してくれるかも。   ナナちゃんなら、私の気持ちを分かってくれる。   ナナちゃんになら、素直に甘えられる気がする。 「おい、もしかしてお前っ」   一歩一歩扉に近づくにつれて、外の声が中にまで聞こえてくる。 「はい。ご無沙汰してます岡田さん」   どこかで聞き覚えのあるふたつの声。   ひとつは岡田さんので、もうひとつは。    扉を開け、眩しい日光と共に私の視界に入ってきたのは、 「ひどい顔だな。笹垣」
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