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「セン、パイ?」
どうしてここに。
「今日は告白しに行くんじゃ」
「ああ、そうだけど」
けど、ここにいるってことは。
「振られましたか?」
「あのなぁ」
はぁ。
センパイは大きな溜め息をひとつ。
「告白なら今からするんだよ」
「‥‥‥‥へっ」
それってどういう、
「なあ笹垣。ワールドカップって、去年もブラジルでやったって知ってたか?」
センパイは唐突に、私を自分の胸にぎゅっと抱き寄せた。
「一年前、笹垣があの手紙をくれて。それから毎日毎日未来の僕のことを本当に楽しそうに手紙で教えてくれて。自分からの手紙でも笹垣の可愛いトコとか素敵なトコとかが沢山書いてあって。ああ、この子は本当に僕のこと好きなんだなって。こんな素敵な子が彼女になってくれたらなって」
私を抱きしめる腕が、いっそう強まる。
「いつからか、笹垣のことが好きになってた」
笹垣。ううん、愛ちゃん。ずっと待たせてごめんね。やっと今日、この言葉を伝えられるよ。
「僕は、七瀬 明人は愛ちゃんのことがずっと大好きでした。僕と付き合ってください」
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