~DEAR M.J~

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
国道沿いの歩道を歩くと、ほんの少し、秋の風を感じた 次々と俺の横を車が通過していく 1台の車が「ビリー・ジーン」を大音量で響かせながら走り去っていった 「迷惑な奴だな…」と思いながらも、懐かしむように思わず口ずさみ、リズムをとる 車が途絶えると辺りは少し暗くなった まだ耳にこだまする「ビリージーン」 誰もいないことを確認すると、俺は久し振りにステップを踏んだ 気のせいか、足元が少し明るくなったように見え、顔を上げ空を見上げる すると、 月の周りをムーンウォークしている1人の男がいた 『スーパームーン』 俺は大きな月を指差しポーズを決めた 月の中には兎ではなく、一匹の猿が主人を待っていた 男はムーンウォークしながら猿を抱き抱えると ゆっくりと月の中へ消えていった……
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!