Chapter-1-End-declaration-

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━━━━━愛知県・名古屋市━━━━━    『ショッピングモール駐車場』 空を覆い尽くす赤い霧。 こういう時こそ冷静になれ。 いいな? 念じるように自分の心の中で訴えると、 佐野『ガスマスクを奪えっ!!』 咄嗟にそう叫んだ佐野。 茜『ガスマスクって!? どういうことよっ!? 何が起きてるのっ!?』 荒々しい声で佐野に問い掛ける茜。 だが時間は止まらない。 小山田『あ、あの上空に 撒かれた赤いのってまさか‥‥!!』 相澤『吸っちゃダメなんだね‥!!』 佳奈『そ、そんな‥‥!!』 佐野『杉村はガスマスクと 雨合羽も着てるから大丈夫な筈だ。 いいか、奴らは皆人間だっ!! 心臓を狙えっ!! ガスマスクに穴を開けるなっ!!』 そう言った途端棒立ちする ガスマスクの集団へと向かう佐野。 小山田『よ、よしっ!!オレも戦うっ!!』 その跡を追うように小山田も踏み込んだ。 脚が疲れてしんどいが頑張らないといけない。 力強い足踏みをコンクリートの地面にぶつけながら 駆け足で空を見上げるガスマスクの集団を睨む。 リコ『さ、佐野君っ!!小山田君っ!!』 相澤『だ、大丈夫‥‥‥!! きっと佐野くんと小山田君なら 生き残って行けるよ‥‥!! わ、わたしは………それでいいから‥‥!!』 茜『ちょ、ちょっと凜ちゃん 何言ってるのよっ!? わ、わたしたち皆で生き残るのよっ!! 凜ちゃんとリコちゃんの分も 奪ってくるからねっ!!』 そして茜もまたハンドガンを構えて駆け出す。 佳奈『せ、先輩っ!! わたしも行きますっ!!』 佐野『悪く思うなよっ!?』 銃を構え感覚を研ぎ澄ます。 ズッシリくる重みが命の尊さを表すように感じる。 そして引き金に指を掛け━━━━ ━━━━━━ドドドドドドッッ!! ドドドドドドッッ!! ?『ブフッ!!』『オァッ!!』 胸に数十発の弾丸を撃ち込まれた2人は 撃たれた衝撃で身体を痙攣させると ドサッ‥‥ドサッ‥‥!! 力無く雨に濡れた地面へと倒れた。 佐野『小山田っ!! ガスマスクと雨合羽を剥ぎ取って先に 女子に渡してやれっ!!』 小山田『わ、分かった!!』 慌てて佐野に命を奪われた2人の元に駆け寄るが‥‥
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