132人が本棚に入れています
本棚に追加
相澤『もう‥‥3分くらいしかないと思うよっ‥‥!!
佐野く‥‥皆にも教えてあげなきゃっ!!』
ガスマスクと雨合羽を拾い上げると相澤は
着込みもせずに佐野達の方へと
向かおうと足を進めた。
すると、
茜『ダメよ凜ちゃんっ
前に近付いたら凜ちゃんも危ないっ!
あと3分しかないんだよね?
それはわたしが伝えるから凜ちゃんとリコちゃんは
そのガスマスクと雨合羽を着てここで待ってて!
みんなで生き残るためにもっ!』
と茜に遮られてしまう。
しかしそれは茜の友達に対する気遣いで、
死んでほしくない、生きていてほしい。
そんな健気な思いからだった。
リコ『茜さん‥‥!!ありがとう‥‥!!』
茜『仕留めたのはわたしじゃないから
お礼は本人に言えばいいよ!
……それじゃ佐野の所まで
行くから2人とも周りに気を配りながら
待機していてねっ!!』
そう言い残すと茜は
直ぐ様佐野達の後を追い掛けた。
降り頻る雨は赤い霧も
含めて降っているかも知れない。
そう考えれば直ぐにでも
ガスマスクと雨合羽を着るべきだ。
ゆっくりと雨合羽を着込みながらも
相澤は酷く怯えていた。
本当は怖い。
死にたくないけど想い人である
佐野にも生きてほしい。
恐怖の中相澤が思ったことは
感謝と傍にいたいという寂しさだった。
最もそれは田渕も同じで魁人の傍にいたいという
気持ちは変わらず抱いている。
相澤『‥‥みんなを‥‥
どうか助けてください神様‥‥!!』
学校から共に生き残ってきた仲間を
失いたくないという相澤の祈りは
天へと届くのだろうか?
リコ『凜ちゃん‥‥‥!!
わたしも一緒に祈るよ‥‥っ!!』
相澤の祈りに重ねるように
田渕もまた祈りの手を組んだ。
そして雨合羽に身を包んだ
2人は祈りを捧げた後ガスマスクを装着した。
ドドドドッッ!!
佐野『避けられたっ!!』
?『へハハハッ!!』
俊敏な動きで銃撃を避ける彼らは
佐野の銃が弾切れを起こす時を待っていた。
最初のコメントを投稿しよう!