Chapter-3-Between-Life-and-Death-

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  ノブも杉村もそのことに 何の意義を唱えることなく 分かりきっているかのように 平然としていた。 まるで決心を渋らせていた 肩の荷が降りたように 寧ろ清々しい表情すら伺える。 小山田『嘘やろっ!? やっぱりそうなんの━━━!?』 戦わざるを得ない状況に 小山田は悲劇の嘆きをあげる。 その声は小さい筈だが 宇宙へと届きそうな程死を恐れる 恐怖心が込められていた。 杉村『しゃーねぇだろっ 病院の入り口で死人の相手してるだけで 済んでたら田渕の手術の時間は 稼げた筈なんだっ! ところが死人達を瞬殺する奴が 現れやがったのが誤算なんだよっ あんな強敵あるかっ! 顔出した瞬間妖怪首無しに されちまうぜっ』 物の見事に予想外の敵が 現れたことを説明した杉村。 最早納得するしかない。 ノブ『でもそれだとオレ達次第で ここの人達助けられるよな……? 一方的に切り捨てるつもりで ここにやって来たけど……、、、』 そして"殲滅"作戦に変更するとなると 生存者達を救うことが出来る可能性が 見えて来ると言ったノブ。 山伏達が病院内にいる間なら 他の人達も生き残ることが出来るだろう。 勿論脱出した後のことは 一切関与しないという前提だが。 山伏『助けられるなら助けるけど あのミニガン野郎をどうやって 倒すか考えねぇと………!! とりあえず喫茶店の死人を 片付けてくれっ!! 杉村はオレと一緒に ミニガン野郎を引き付けるぞっ!!』 驚異の弾幕を放つガスマスクの男1人は 後回しにして先に厄介な存在に 成りかねない死人の殲滅を命じた山伏。 その判断は正しいのだろうか? ノブ『了解っ!!行くぞ小山田っ!!』 小山田『お、おうっ! 死人やったら任せろっ!!』 周りの騒がしくなっている ナースや大人達等気にせず 拳銃を誇らしげに構える小山田とノブ。 颯爽と駆けて行った後ろ姿を 山伏と杉村は黙って見送った。 避難している人々の中には 小さな子供もいて喜ぶ姿を見せる子がいる。 恐らくこの状況が 分かっていないのだろう。 親らしき大人に抱かれる子供。 まだ歩けるようになったばかりの子供。 小学生ぐらいの子供だけは 危険なことを本能的に理解しているのか 怯えて泣いている子が多い。  
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