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「俺、ストーカーされてんですよ。ゲイバー行ったのもその対策の一環で。それで相手が諦めるまで、課長が恋人の振りをしてくるって言ってくれたんですよ」
「は?なに?恋人?ストーカー?」
またまた話が急展開過ぎてついていけない。
「その流れでいっそ同居ってことになって。話しには聞いてたけど、ここ広いですね。二人で暮らすのにちょうどいいくらい」
一人暮らしには広すぎるのはその通りだ。だっていずれ結婚する(予定の)女性と暮らす(予定の)心づもりで買ったマンションで、子供が出来た後は(予定)、マンションを売って郊外に一軒家を買って(予定)、少し遠いマイホームから妻の弁当を持って会社に通い(予定)、いずれは息子の巣立ちを見て、退職した後は夫婦二人で家庭菜園なんかやりながらのんびり……
呆然としている間に、宮坂は次の日曜には本当に荷物を持ってやってきた。
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