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「き、きみ、なんで、こんな……っ」
こんなところで、というか我が家のベッドで自分の隣でなんで裸で寝てるんだという問いかけは、空回りする頭では上手く口に乗せられない。
皆まで言えずに口をぱくぱくさせる彬に、宮坂は「ぁー……」とぼんやりとした顔のまま、ぼんやりとした返事を返して、眠そうに瞬きを繰り返した後、そのまま目を瞑った。
すー……と平和な寝息が聞こえてくる。
「って、おい!」
寝るな!と怒鳴りかけて、自分の大声に自分で悶えた。
これはいわゆる、二日酔いというやつに違いない。
まさか、常日頃から己を律してきたこの自分がなるなんて。
枕にうつ伏せて悶えながら、ぎろりと隣を睨み据える。
隣の男はすかすか心地よさそうに寝息を立てていて、平和な寝顔がやたらと憎い。
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