ブルーバック。

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その時、彼らの後ろから、この世の終わりを思わせるような、人間を色で例えるなら、きっとブラックホールぐらい真っ黒であろう、ドスの聞いた声が3人の事を呼び止めた。

3人は動きの止まったゼンマイ人形のように、一斉に足を止めて振り向きはしないものの、自分達の後方に関わってはいけないものの存在を明らかに感じた。

そうして、アイコンタクトを一瞬の内に取り合うと、3人の中に同様の思いがあることを感じとった。

次の瞬間、3人は、ただ遥かな前方に向かって出来るだけの力を両足に込めて走り出した。

そう、イメージはボルトのように、いや、風になって駆け抜けるんだ……。
思い込みとは凄いものである。
一度、そう自分自身に強く言い聞かせると、心なしか、通り過ぎていく景色の中は、ただ風が流れていく音しか聞こえない。

……なんて都合のいいことはなく、さっきよりも怒気を帯びた声が、すぐ近くから聞こえたと思うと、タケヤマとカネコは首根っこを掴まれていた。自分が風になれるなら、相手だって風になれてもおかしくない。

そう痛感しながら、もはや半泣きの面持ちで振り返った時、待ち構えていた人物が、後に彼らの運命を大きく変えることに……

なるのかもしれない。