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「ビートルーズってモロパクりじゃん! これは流石にダサいっしょ! 」 直球で痛い所を突いてくる。タケヤマは思わず、ダサいのはお前のそのアシンメトリーになりきれてない髪型だ! お洒落したいなら、そのヘンテコな眉毛をどうにかしてからにしろ! と、一喝してやりたかった。 「まぁ、バンド名はともかく、僕はバンドやってみたいなぁ。皆でやったら楽しそうだし。」 一筋の光が暗闇を照らしたかのように、ヒロセの言葉を受けて、タケヤマは軍隊でも味方につけたごとく、な? な? そうだよな! と、ヒロセの手を取り詰め寄った。そして、キクチとカネコだってバンドやりたがってたんだろ? いいじゃん、やっても。と、尚も催促を続けてみた。愛想笑いを浮かべているカネコと対照的に、キクチは一向に顔色を変えようとしない、それは明らかに難色の気配をこれでもか。と、表していた。 「こっちの都合はおかまいなしか? 俺はメンバーになったつもりはない。」 キクチはタケヤマを睨みつけるように言った。 「そんなこと言ってねえだろ! ただ、俺はお前らならやってくれるかなって……。」 ヒロセの手を握り舞い上がっていたタケヤマも思わず声を荒げた。キクチは予め予想していたかのように話を遮って反論した。 「それが、そもそも間違ってるって言ってるんだ。バカげた名前を持ち出してきた上に、逆ギレまでする。自分のことばっかで周りを全然、意識していないやつとは余計やりたくない。」 尚も冷たく浴びせられるキクチの言葉に、思わず胸倉に掴みかかりそうになった所を、慌ててカネコとヒロセが静止に入った。タケヤマの頭は血が昇ったままで、ただキクチを鋭く睨みつけた。 「なんだ? 本当の事を言われただけで、メンバー候補に手を出すくらいじゃ、バンドなんか始めた所で一ヶ月も持たないだろうな。て、事で俺は遠慮させてもらう。ついでにいうと、仲がいいから一緒にやろう。なんて、浅はかな考えもやめた方がいいぞ? 」 「おいおい、それは言い過ぎだろ?」 「そうだよ! 2人ともやめなよ!」 カネコとヒロセも、この空気に堪えきれなくなったのか、それぞれが仲裁に入る。 キクチが、知らん顔でそのまま去っていくのをヒロセが呼び止めても戻ることはなかった。タケヤマは自分の考えが幼稚だと言われたみたいで、ノートを拾いあげると、ページを破ってクシャクシャに丸めて捨てた。
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