HIT ①

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「おい、なにプリントなんかやってんだよ」 机の足をガンと蹴られて、僕の机は右へ滑った。 「まじめか」 蹴ったやつの一言で教室にバカ笑いが響く。 僕は、右手に鉛筆を握ったまま、前を見て固まっていた。 今は授業中、三時間目国語。 「おまえたち!やめなさい!」 平田先生からお決まりの言葉が飛んでくる。 それすらもケラケラとバカ笑いに伏される。先生は「いい加減にしろよ」と言いながら僕の机を元の位置に戻した。僕はまた机上に視線を落とし、プリントの問題を解き始めた。 いつも騒がしい僕のクラス【五年二組】は、荒れているのだ。
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