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「おい、なにプリントなんかやってんだよ」
机の足をガンと蹴られて、僕の机は右へ滑った。
「まじめか」
蹴ったやつの一言で教室にバカ笑いが響く。
僕は、右手に鉛筆を握ったまま、前を見て固まっていた。
今は授業中、三時間目国語。
「おまえたち!やめなさい!」
平田先生からお決まりの言葉が飛んでくる。
それすらもケラケラとバカ笑いに伏される。先生は「いい加減にしろよ」と言いながら僕の机を元の位置に戻した。僕はまた机上に視線を落とし、プリントの問題を解き始めた。
いつも騒がしい僕のクラス【五年二組】は、荒れているのだ。
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