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ケイは後片付けが終わるとカウンターの前の席に置いていたノートパソコンを開いた。
USメモリーの中から(シークレット)のキイを押して仲間の名簿から今回の依頼に相応しい三人を選ぶ。
一人目だな・・
博多はキラに頼もう。
彼は中州のホストクラブでナンバー3をここ2年ほどキープしているイケメンだが、昼は九州大学の大学院生という顔も持っている。
専攻は『人類学』だったか?
だが元々は神戸で育った。
父はアメリカ人、母は日系の韓国人で家は裕福だったが何故か実家を嫌い、十五~六歳から一人暮らしをしていた。
ケイと知り合ったのは三宮の高架下にあったゲームセンターだった。
その頃両親を事故で亡くし先代の祖父に引き取られたばかりのケイは、疎遠だった祖父とどう接して良いか分らず行き場の無い思いを持余していた。
学校帰りにあても無く三宮をふら付いていると自分と同じ眼をしたキラに出会った。
最初は遠まきに彼を見ていたが、相手も自分に気付き直に話をする様になった。
本名は(吉良輝星ランバート)今ケイがやっている秘密の仕事も元々はキラと二人で始めたものだった。
二人目は・・ルイでいい。
フランス人と日本人のハーフの彼は家庭の事情で一人暮らしをしている。
父は貿易関係の仕事をしているらしいが何年か前日本人の母と離婚して以来フランスに帰っていた。
母も新しい恋人と東京で暮らしている。
彼自身は雑誌のモデルをしていた。
ケイのカフェの常連で、一年前の依頼の関係者だったが、何故かそのままケイを手伝い始めた。
別に金に困っているふうも無いのに、
必ず報酬の上乗せを言って来る。
ケイが応じるとどんな仕事も請けた。
そのくせ災害などで困った人を見ると周りが驚くような額の寄付をしてしまう。
良く分からないやつだがケイは彼を気に入っていた。
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