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さて、三人目は誰にしよう?
東京か・・
一人くらいは女性が必要だが・・
少し迷ってからマリアにメールを入れた。
《暇なら一緒に遊ばない?
期間は一月位かな。
ケイ》
「これで良し・・
ケイはそう呟くと開店の為ドアの鍵を開けた。
マリアはケイからのメールをテレビ局の控え室で受け取った。
マネージャーの広瀬をチラッと見た。
「マリア、ダメダメ休みなんか無理だよ。
今週は掛け持ちをする位予定が詰まってるんだから」
広瀬は慌ててマリアにスケジュール表を見せた。
「まだ何も言って無いじゃない」
マリアは口を尖らせて広瀬を睨んだ。
「君がその眼をして僕を見る時は危険なんだ。
キャンセルなんて絶対無理だからね。
インデーズの時とは違うんだ。
何かあったら大変なんだからね」
マリアはチッと舌打してから、
「はいはい解った。
でもこれ以上入れないでよ。
私だって自由な時間がほしいの。
詰め込むなら逃げるわよ」
そう言ってからケイに返信をする。
(いいわよ。
でも休みが無いの。
スポットでも良いならOKよ)
送信釦を押すと鏡に向いにやっと笑った。
彼女は人気のアーティストだった。
インデーズの頃キラと知り合い恋仲だったことがある。
もっとも長くは続かずに直ぐに友達に戻ってしまった。
今は何かとケイに電話をしてきては取りとめの無い話をして気が済むと勝手に切った。
ケイは彼女が電話を掛けてくるのは寂しいからだろうと黙って話を聞き相槌を打った。
「そうだ店番も必要だった」
「特別な客」は、あまり待たせると話を聞く時間が短くなる。
誰に頼もうかと迷っていると、先代の頃からの常連客で近所で会計事務所を営む山崎が店に入って来た。
いつもの席に座ると
「いつもの」
と言って新聞を開いた。
ケイはノートパソコンを閉じてカウンターに入った。
「先生今日は暇ですか?」
そう聞きながらバナナジュースとチーズを乗せたクラッカーにフルーツサラダを用意した。
このメニューは先代が忙しくて食事の不規則だった山崎の為に考案した昼食のメニューだ。
山崎も気に入っていてこの店での彼の定番になっている。
今はスタッフも増え月末の繁忙期以外はこの店でのんびりと時間を過す事が彼の日課になっていた。
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