不安

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「開店準備って何をすればいいんだ?」 キラはとにかく店に入ってカウンターの中に立った。 迷っているとケイが入って来た。 「わるい、替わるよ。 マリアが心配してる、早く顔を見せてあげて」 そう言ってカウンターに入った。 「やはりそうだったか?」 「ああ、上手く処理したよ」 エプロンの紐を結びなからケイが答えた。 何もしてないと謝るキラに笑いながら構わないと言うとバタバタと開店準備を始めた。 キラが店を出ると準備の合間に自分用のコーヒーをたてる。 山崎が入って来た。 「先生、朝はありがとうございました。 コーヒーで良ければ今サイホンでたてたのがありますよ」 ケイがそう言うと珍しくカウンターに座った。 「おっいいね、でも僕今から帰って寝るつもりなんだ・・ でもこんな良い香りを諦めるのは勿体ない・・ よし、頂こう」 ケイがコーヒーを置くと山崎は美味しそうに飲む。 他の人達が見たら朝ののんびりとした光景に見えるだろう。 しかしケイの頭の中では此れから起きるであろう終焉に向けての段取りが駆け巡る。 山崎が帰るとキラにメールを入れた。 (最後のひとりも神戸に呼んでくれ・・ 明日の夜には関係者全員が神戸に揃うようにしたい) キラはケイからのメールを受けとるとマリアを二階の寝室に行かせた。 博多の純子に電話を入れる。 「明日神戸においで、君の顔が見たい・・」 急な誘いに純子は驚いた。 「明日って・・ お店が休めないわ。 それに貴方東京に居たんじゃ・・」 「無理ならいいよ。 君に会いたかったけど他の娘とデートでもするか・・」 キラはそう言うと電話を切った。 直ぐに純子から電話が返った。 「何よ、直ぐに切らないで、分かった、行くわ。 何時に神戸の何処に行けばいいの?」 「君神戸は詳しいの? 電話で言うだけで来られる?」 「詳しい訳じゃないけど学生の時に少しの間住んだ事があるから・・ 三ノ宮位なら分かると思う」 「じゃ、JR三ノ宮駅で午後6時、着いたら電話しておいで」
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