終演の足音

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ルイは梅田の駅で美也子と待ち合わせた。 ルイを見つけると美也子が嬉しそうに駆け寄る。 「今日仕事って言ってたのに」 そう言いながらルイの腕を捕まえる。 「キャンセルしたよ、君に逢いたくて・・」 「本当?」 「ああ、本当」 美也子はルイの顔を覗いた。 「ダメよ、お仕事はキャンセルなんかしたら。 信用が無くなっちゃう。 私なら何時間でも貴方を待ってるもの、次はそんな事しなくても良いわ」 そう言う。 「ああそうだな、次はそうするよ。 ところで今夜はどうする? 京都?大阪?それとも神戸が良い?」 そう聞いて顔を覗いた。 「貴方と一緒なら何処でも良いわ」 美也子はそう言いながらルイの顔を見る。 「じゃ、神戸の僕の部屋に来るか?」 「いいの?」 「ああ、DVDでも見て、飽きたら夜景でも見よう」 「夜景が見えるの?」 「見えるよ、新神戸駅側の高層マンションだからね。 高台だから昼は海も見える」 ルイは美也子の手を捕まえる。 「行こう、神戸に着いたら食事をしよう。 食事の後は果物と君のジュースを買って、映画は何が見たい?」 歩きながら美也子に笑いかけた。 三ノ宮駅で電車を降り近くのレストラン街で食事を済ませる。 買い物を済ますとタクシーで自分の部屋に戻った。 エレベーターを降り先に美也子を部屋に入れて明かりを付けた。 「うわぁ素敵、思ってたより広い・・」 「来て、ほらここからなら三ノ宮が一望できるよ」 ルイはベランダの窓際に美也子を立たせた。 「本当・・綺麗」 「もう何年も女性が入った事が無いから少し散らかってるけど」 ソファーからクッションを降ろして床に重ねる。 カットした果物とクリームチーズをのせたクラッカーを皿に盛ってその横に置いた。 美也子にジュースを渡し、自分は冷蔵庫から出したドライシェリーをグラスに注ぐ。 美也子を後ろから抱いて二人で映画を観た。
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