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一時間後、ケイは地下室から一階へ戻った。
シャワーをあびて総て新しい物に着替えた。
髪を拭きながら電話を入れる。
相手は県警の警部だった。
仲間とは少し違うがお互いに情報を共有しあう仲だ。
以前未解決の殺人事件を解決してやった事がある。
ケイの扱う事例では警察がらみの物も多い。
最後に生じる『人の世』の事は彼に任せる事でケイ達の『仕事』も誰にも知られずに続ける事ができる。
そう・・彼等の『仕事は』知る人だけが知る・・
そう言うものでなければいけない『仕事』だった。
電話を入れるとかけ直すと返事が返った。
直ぐに彼から電話があった、ケイが先に口火を切る。
「二十五歳位の女性で身元不明な遺体は出てない?」
「またあの変な依頼か?」
「まあそんな処です。
神戸市内の何処かに埋まっているか崖下なんかの目立たない所に居るんだと思うんだけど、本人は場所が分っていないから僕にも探せない。
まあ少ししたら殺した方からの情報で分るとは思うけれどこの季節だろう?早く探してやりたいんだ」
「分った、気に掛けておくよ」
電話を切ると三人にメールを送った。
《明日、正午をもって狩をスタートします。
今回は僕を入れて四人、プラスワンで獲物を追います。
ターゲットは次のとおり。
福岡市。
岩本純子 ニ十五歳 ホステス。
中洲のクラブに勤めている。
大阪市
中山美也子 二十五歳 銀行員。
南の繁華街にある銀行の支店勤め。
東京都。
前田弘幸 三十二歳 食品会社社長
父親から引き継いだ生肉の卸し業。
今回の依頼人は木村幸乃 二十五歳。
プラスワンで僕達と行動を共にします》
直にマリアから返信があった。
(プラスワンの状況は?)
ケイは三人に向けて同じメールを返した。
《頭の左半分に陥没が見られ、右肩から腕が無い。
両足も酷く骨折しているようだ。
着ている物の汚れも酷いから、今は多分土の中か崖下だろうと思うが、本人は覚えていない。
一応警部には知らせておいた》
キラから返信があった。
(回収は出来るのか?)
《いずれそうなるだろうけれどそれは僕達の仕事じゃない。
警察に任せよう。
だけどこの季節だろう、早く探してやりたいんだ。
少しでも彼女の身体が綺麗なうちに》
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