17人が本棚に入れています
本棚に追加
「美也子、大丈夫だ・・僕は君を信じてる。
もしその彼女に不幸があったとしても君のせいじゃない」
そう言ってまた美也子を抱きしめた。
でもそれを幸乃が解ってくれるのだろうか?
故意じゃ無くても幸乃が美也子を恨んでいたら?
そして許さなかったら・・
「美也子、二人だけで何処か遠くに行こうか?
北海道とか沖縄とか・・
君がパスポートを持ってるならフランスの僕の父の所でもいい・・」
美也子はルイを見た。
今日の彼はいつもとは違う。
何かを隠していると思った。
でもそれを責める気にはなれない。
彼が隠すのはきっと私の為だと思えた。
ルイはケイの顔を思い出していた。
(もう僕達が出来る事はない
後は幸乃が決める)
そうだ・・
今さらどこに行こうが無駄な事位分かっている。
自分が美也子に出来るのはただ傍にいてやる事だけだ。
ルイは美也子に前を向かせ自分の額と美也子の額を合わせた。
「なぁ、抱きたいって言ったら・・怒るか?」
美也子はルイを見つめた。
「私・・
初めてじゃないわ・・」
ルイは笑いながら美也子を見つめる。
「僕だって初めてじゃない・・」
そう言って口づけた。
美也子を抱き上げて隣のベッドルームに運ぶ。
ベッドに降ろしてもう一度口づけた。
(必ず君を守る・・
例えケイやキラと袂を別つ事になったとしても)
そう思いながら美也子を抱きしめた。
ルイは今腕の中で身体を硬くする美也子が愛しくて、可愛くて、そして悲しかった。
最初のコメントを投稿しよう!