隣人の笑顔

2/7
前へ
/7ページ
次へ
今日も1日、疲れた。 黒いパンプスを脱いで、カバンを玄関に置いたままで、冷蔵庫に直行。 冷えた缶ビールを出して、ベランダへと移動する。 ベランダから見える眺めが気に入って、ここに移り住んだ。会社まで1時間もかかる距離だし、ワンルームという狭い部屋だけど、この街が気に入っている。 空を見上げれば、細い三日月とたくさんの星が見える。 横に顔を動かせば、みなとみらいの夜景が近くはないけど、きれいに見える。 開けた缶ビールをぐいっと飲んで、渇いた喉を潤す。 あー、美味しい。 ガラガラ… え? 隣の部屋の窓が開く。隣は空室のはずだ。なのに、何で開くの? 何がいるの? おそるおそると反対に顔を動かす。同じ銘柄の缶ビールとゴツゴツした手が見えた。 いつの間に、隣に人が?
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加