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玄関に置いたままだったカバンをテーブル横まで運んだ時、インターフォンが鳴る。
来た!
「はい?」
「夜遅くにすいません。今日、隣に引っ越してきた者なのですが、ご挨拶に伺いまして」
真面目な声が聞こえた。ベランダから聞こえた最初の声ではない。中にいた人の声だ。
「あの?聞こえてますか?」
返事が聞こえてこなかったからか、躊躇いがちな声がきこえる。
「あ、ごめんなさい!今、出ます!」
慌てて、玄関のドアを開けると、二つの顔が見えた。
一人はマロンブラウン色のサラサラの髪で、丸い目をした愛嬌のある顔で、ニコニコとしていて、さらに愛嬌を振り撒いている感じだ。
それに対して、もう一人は短い黒髪がワックスで固められていて、黒い縁のメガネをかけていて、無表情…。
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