プロローグ

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※※※※※  その様子を木陰から睨みつける者がいた。  そいつはこの辺りに住まい、人々に化け物と恐れられる異形の者だった。  自分の縄張りで乱痴気騒ぎを起こす不貞な若者達が癪に障った。歯を食いしばり、ぎりぎりと音を立てている。だが、若い男女はそれに気が付かない。  そいつは腰に挿した鉈を引き抜くと、それを血管が浮き出るほど強く握りしめた。
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