26人が本棚に入れています
本棚に追加
No.900のシークレットモンスターを討伐しようとした場合、プレイヤーのレベルが10あれば、たとえひとりでも何とか対応は出来るだろう。
だが、これがNo.600となった場合、必要なレベルは最低でも30以上は必要とされる。
単純に3倍と思うだろうが、このゲームではレベルが10も上がればプレイヤーの戦闘能力に大きな違いが表れる。
例えばレベル1に相当するモンスターに通称『コロコロ』と呼ばれる球体のモンスターが存在する。初期の経験値要員でり、最初のチュートリアルでもらえる武器や防具を装備していれば問題なく対処出来る。
ところが、同じ装備でレベル10に相当する『コロコキング』に挑んだ場合、ほぼ間違いなく倒される。それもオーバーキルで。無論各プレイヤーのステータスや戦闘技術によっては結果は様々に変化する訳だが…………
いずれにせよ、実質的なその『強さ』は数字以上のものがあるのだ。更に、No.100より前のナンバーを持つものに限っては、出現条件の難解さはもちろんの事、その強さはそれまでの比ではない。
そして、今までに討伐されたシークレットモンスターの最も低い…………すなわち強いナンバーは【72】 二桁である。
プレイヤー達が注目するのも当然であろう。
このフリーダムが配信されから数年。遂に『一桁』のナンバーを持つシークレットモンスターが現れたのだらから。
ーーーーアリガチシティ 酒場にてーーーー
【ヤマト】『…………一桁かぁ』
【レオ】『…………一桁だってねぇ』
酒場にて、テーブル席に腰かけたレオとヤマトは周りの賑わいに耳を傾けていた。
夕方から夜という時間帯もあってか、ゲームの世界であっても大変な賑わいを見せている。
酒場はクエストを受注するための施設であり、常に誰かしらプレイヤーがいるものだが、今日は何時にも増してプレイヤーの姿が目立つ。
まぁ、とうとう一桁のナンバーを持つシークレットモンスターが現れたのだらからそれも無理はない。プレイヤーの誰もが一目その姿を見ようと、クエストを受けるため酒場に殺到しているのだ。
余りに多くのプレイヤーが押し掛けているため、臨時で一度にクエストに参加するプレイヤーを複数に分けるためのの制限がかけられてしまっているほどに。
周りを見渡せば、クエスト待ちをしているプレイヤーの姿があちらこちらに目立つ。
最初のコメントを投稿しよう!