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他のプレイヤー達が、出ていこうとするプレイヤーに群がる。少しでもシークレットモンスターの情報を聞き出そうとしているらしい。
【ヤマト】『しかし、いつまで続くんだろうな?』
先程から何人ものプレイヤーがクエストに挑んでいるが、いずれもそのままクリアして普通に酒場に帰還している。再びクエストを受けている辺り、シークレットモンスターには遭遇出来なかったようだ。
【レオ】『ぶっちゃけ、遭遇するだけでも奇跡に近いと思うけどね』
恐らく、今挑んでいるプレイヤー達はシークレットモンスターに遭遇した事が無い者達だろう。もし一度でも遭遇した事があるならば、早々何度も挑もうとは思わないはずだ。
現に先程のプレイヤーも、『あり得ない…………』と呟き続けている。
『あれ』はそう簡単に倒せるものではない。出会おうとして出会えるものではないし、入手出来る経験値や報酬目当てだけで挑める相手でもない。
実際、自分達も別のシークレットモンスターと戦った事があるのだから。
以前二人はシークレットモンスターの累計討伐数が150体に到達した事を記念して配信された限定クエスト『ネクター博士の屋敷』に仲間と共に挑み、そこで初めてシークレットモンスターと遭遇した。
激闘の末に辛うじて討伐に成功したが、その圧倒的な強さは今でも鮮明に思い出すことが出来る。
自分達が勝てたのは、間違いなく仲間の強さがあったからだ。自分があのモンスターに挑むには、まだ程遠かったと思う。
【レオ】『まぁ、それでも』
あのシークレットモンスターがいなければ、仲間とも出会わなかった訳だから…………
結果時には良かったのかも知れないが。
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