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まぁ、しばらくすればこの騒ぎも少しは治まるだろう。
その後、二人で何気ない話題で盛り上がっていると、やがて今回の事へと繋がっていく。
【ヤマト】『ところで、ちびっ子からの誘いだっけ?】
【レオ】『ああ。この前、二人でクエストに行ったんだけどさ…………』
”二人で”というレオの言葉にヤマトがピクリと反応する。
【ヤマト】『おやおや~~?デートですかなレオ君や?』
なんか、凄くニヤニヤしている。
(〝⌒∇⌒〝)←こんな顔
いや、違うからね?
まぁ、確かにジンジャーは可愛いと思うよ?性格明るいし。一緒にいて楽しいし…………と、失礼。
【レオ】『いや、そうじゃ無くて、だな』
数日前、レオがひとりでフリーダムにログインしていたところ、偶然ジンジャーと再会した。
スペシャルクエスト完了後、お互いに連絡を取ることもあったがそれぞれの都合もあり、互いに直接の再開は久々の事である。
それぞれの話題で盛り上がった後、そういえば、とジンジャーが聞いてきた。
【ジンジャー】『レオってさ。ジャングルフィールドには行った事ある?』
【レオ】『ジャングルフィールド?』
…………いや、聞いたことは無いな。
【レオ】『草原フィールドとは違うのか?』
【ジンジャー】『うん。新しく解放されたフィールドだよ』
【ジンジャー】『少し前に解放されてたんだけど、分かりにくい場所にあったからほとんどの人が気が付かなかったみたい』
小柄な体つきに肩のあたりで切り揃えられた緑の髪。そして整った顔立。外見だけで判断するならばとても冒険者には見えない。
だが、その実力はレオを遥かにしのぐ上位プレイヤーのひとりである。
ジンジャーは更に続ける。
【ジンジャー】『場所が分かりにくいってのもあるんだけど、クエストの目的地には指定されていないってのが気がつかない理由かな?』
確かにそれならほとんどのプレイヤーは気が付かないだろうな。酒場でクエストを受けて……つまり訪れる場所を決めてから街を出るのが基本的な流れだ。
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