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【ヤマト】『…………何かあったのか?』
【レオ】『あれは入口の方だな』
ヤマトと共に騒ぎの元へと向かう。
すると…………
【ヤマト】『あれって、ちびっ子じゃないか?』
そこには今回の待ち合わせの人物である『ジンジャー』がいた。
約束の時間より早く来てくれた事は、彼女の良いところだろう。
気になるのはジンジャーの前に複数のプレイヤー達がいることだ。多数の男性プレイヤーと、女性と思われる長い黒髪のプレイヤー。
別に不思議な事ではない。俺とヤマトがそうであるように、ジンジャーにも友人はいるだろう。彼女のキャラクターデザインは美少女であり、性格も明るく、何よりプレイヤーとしても優秀だ。俺達よりも多くの仲間もいることだろう。
プレイヤー通しの集まりなどよくあることだ。ただひとつ、普通と違うのは………
男性プレイヤーの何人かが、床に倒れている事だろう。
寝ている……とは違う。まるで体力ゲージが尽きた時のような倒れかたをしているのだ。
そして別のプレイヤーが、もうひとりの女性プレイヤーへと群がり始めた。どうにも知り合いという雰囲気ではない。
【ヤマト】『……トラブルっぽいな』
ヤマトが男性プレイヤーの方を見ながら呟いた。
【レオ】『どうにも、そうらしい』
俺もうなずいて返す。
オンラインゲームはプレイするのが人間通しである以上はどうしてもトラブルが発生する事がある。
話し合いで解決出来る場合もあるが、時として実力行使に出ることも少なくはない。
周りのプレイヤー達は遠巻きに見ているだけだ。巻き込まれるのを避けているのか、動こうとはしない。
【ヤマト】『少し行って来るわ』
ヤマトがジンジャーの元へと歩き出す。
【ヤマト】『状況は分からないが、ほっとけないだろ』
…………そう言えば、ヤマトはトラブルとかは見過ごせない奴だったっけ。
まぁ、最も……
それは俺も同じな訳だが。
俺の知る限りでは、ジンジャーは自分からトラブルを起こすような人間ではない。
俺もヤマトの隣に並ぶ。
さてさて参りましょうか
我らのお姫様を救いに。なんてな(笑)
最も、危ない目に遭うのはジンジャーよりも、ジンジャーを巻き込んだ側なんだろうけどな(笑)
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