オンラインゲームの走り方

ファーストコンタクト

『うお！？』

『ヤバ…………マジで惚れたわ』

突如現れた女性の美しさに騒ぎ出すナンパ男達。

『ねえキミ！時間あるなら遊びに行こうよ？』

『そうそう！楽しい場所とか知ってるからさ！』

男達は我先にと女性に詰め寄る。先程倒された仲間の事は既に頭から抜け落ちてしまったようだ。

女性は小さくため息を吐いた。

『貴殿達は先程あちらの女性を誘っていたのでは？』

そしてジンジャーの方へ視線を向けた。

ーーーーー

うわぁぁ…………綺麗な人だなぁ。

人混みの中から現れた人物を見て、アタシは思わずその女性の美しさに見とれてしまった。

いや、別にアタシは至ってノーマルだからね？

…………でも、ホントに綺麗な人だなぁ。

アタシのデザインも結構作り込んでいるつもりだけど、それすら霞んで見える。アタシや姉さんのキャラクターをアニメのヒロインとすると、あの人は完成された彫刻のような…………

何て言うか、アタシ達を平面とするなら、あの人は立体で…………

…………え？ 意味がわからない？

うん。 言ってるアタシもわからない。て、言うか、上手く言葉に出来ない。

だって、ホントに綺麗なんだもん。

『うお！？』

『ヤバ…………マジで惚れたわ』

女性が現れた途端、さっきまでアタシの事をナンパしていた男達はさっさとアタシから離れて、その女性の方へと行ってしまった。

まぁ…………別に、蹴り飛ばすつもりだったし、いいんだけど。

…………でも、理由はともかく一度声をかけたなら。

(結果はどうあれ、最後まで貫けっての)

男達は、アタシの事など忘れたかのようにあの人に声をかけている。倒れた仲間もほったらかしだ。

…………別に同情するつもりも無いけど、いい気分ではない。