プロローグ

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フェザーがクレーターを見下ろして、己の敵を探しているその時、ひとつの影が落ちる。 即座に反応したフェザーは飛び退き後退するが、一瞬速く『上空』から降ってきた影が、その両手に構えた大剣でフェザーの翼の片方を切り飛ばした。 『…………!!』 更に続けて無数の光輝く剣がフェザーを撃ち抜く。 思わぬ攻撃に、フェザーの動きかが瞬間的に止まる。 その隙に、二人は再び逃走する。多少はダメージを負わせたものの、この程度では撃破には遠く及ばないのだ。 それを証明するかの如く、フェザーは直ぐ様追跡を開始する。切り飛ばされた翼もすでに再生しており微塵も弱まる気配はない。 先程から散々逃げ回っているが、一向に離れる気配がない。どれ程に逃げ回っても、ぴったりと着いてくる。 『まったくもって、人気者は辛いな!?』 隣を走る友人である『御堂 列』の操作するキャラクター『ヤマト』が話しかけてくる。 『だったらサインでもくれてやるか!?』 レオはヤマトに答え、後ろをちらりと確認して加速する。 再び先程の攻撃を繰り出す構えをとっているが、気のせいだと思いたい。先程はたまたま上手く行ったが、次は通用する気がしない。 先のフェザーの攻撃の瞬間、レオとヤマトは装備アイテムである『天馬の翼』の効果を発動させた。 その効果は、装備者のスタミナゲージの消費減少と跳躍力の上昇。 前回のスペシャルクエスト達成の報酬として入手したものであり、行動する度にスタミナゲージを消費するこのゲームにおいては、必需品といえる。 多少とはいえ、スタミナゲージの消費を減少出来るのと出来ないのでは、クエスト攻略に大きな違いが出てくる訳だ。 レオとヤマトは、この装備アイテムの力を試すべく簡単な討伐クエストを受けたのだが、そこで思わぬ強敵と遭遇した。
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