プロローグ

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それこそが、このモンスター『フェザー』である。 外見こそ、この草原のフィールドに無数に存在する通常モンスターのフェザーと変わらない。 ただ、その『中身』が違うのだ。 【レオ】『さすがに、このままって訳には行かないな』 レオは自身のスタミナゲージ残量を確認して呟く。 スタミナゲージは決して無限ではない。このまま走り続ければいつかは尽きるものだ。 【ヤマト】『やるだけやってみるか?』 ヤマトはレオをちらりと見て答える。 このまま逃げ続けていても、恐らくは勝ち目は無い。レオとヤマトは覚悟を決める。 フェザーが放った攻撃を真横に飛ぶことで回避し、今度は逃走する事なく立ち止まる。 やがて追い付いたフェザーは大地に降り立ち口を開いた。 『あれ?もう逃げないの?』 まるで、小さな子供が追いかけっこで遊んでいたような口調だ。 対するレオは、腰に下げていた双剣を抜き放ち答える。 【レオ】『準備運動は十分って事さ』 双剣を構え、即座に反応出来るように間合いをつめていく。 【ヤマト】『女の子、それも天使が情熱的に追いかけてきてくれてるんだ』 【ヤマト】『だったら、優しく相手をしてあげるのが紳士ってものだろ?』 手にした大剣を肩に担ぎ上げ、ヤマトはニヤリと笑う。 しかしその顔に油断はなく、フェザーの行動をわずかにも逃すものかと集中している。 『…………いいね。お兄さんたち』 二人の回答と行動に、フェザーはニコリと笑う。その様子は可憐な少女そのものだ。 『だったらボクも、答えなくちゃね』 フェザーはその翼を大きく広げ、その『言葉』を口にする。 『シークレットモンスター No.445 フェザー』 『お兄さんたちを敵と認めて排除する』
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