school of secret

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 キャマレイト学園では放課後行われるクラブ活動が盛んだ。強制ではないものの、生徒の大半は何かしらのクラブに所属しているし、二つ以上のクラブを掛け持ちしているという生徒も少なくない。  アスターと言えば、一つだけクラブに所属している。それがノルニル会だ。会は学園創立時から存在する非常に歴史あるクラブで、会員は常に十二人と制限されており、会員か教授からの推薦がないと入会することはできない。でも活動と言えば、週に一度集まり、課題として設定された学術本について議論する、よくある読書会だ。参加するかしないかは自由で、読書会の後に行われる食事会だけに顔を見せる者もいるくらいだ。ちょうど席が空いていたため、アスターはフィザーリ教授に誘われ、レプトスと共に今年の春から所属している。  このクラブが、会に入っていない生徒からはある種の羨望のまなざしを受けていることを、アスターは会に入ってから知った。実態は必ずしもそうとは言えないが、会に所属することができるのは成績優秀で、教授からの覚えもめでたく、人とはちがう「特別な」生徒であると信じられているようだった。
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