ふくしゅうはたいせつだよ

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驚く少年に俺は今日起こった出来事を話す。 っと、その前に誰もいないところで会話している俺は変な人に見えるが、そもそもここのホームは人がほとんど来ない。 通勤通学時間や帰宅の時間帯以外は主婦ですらここをあまり利用しないのだ。 その理由は薄々予想していたかもしれないが、心霊現象のせいだ。 なんでも電車に乗ろうとしたら足を掴まれたり、さっき俺が見たみたいに少年が線路内に見えるのだとか・・・。 ・・・ただ、さっきまでいた薄着の女性たちが消えた理由はよく分からない。 ここに止まる普通電車はまだあと十五分ほどは来ないはずだし…これ以上はやめよう。 とにかく今は駅員さん以外は誰もいないということだけわかればいい。 …その駅員さんも休憩室に入って眠ってるけどな。 「・・・・というわけだ わかったか少年」 『・・・・・』 俺の話を聞いた少年は開いた口が塞がらないようで、ただただ固まっていた。 ・・・駄目だこいつ。当分元に戻らないだろうな。 もうそろそろ電車が来そうだし(駅員はまだ寝ているが)、このまま少年は置いて行こう。 ちょっと尿意もしてきたしトイレに・・・ 『…ちょっと待ってお兄さん』 そう言って俺は腕を掴まれた…っておい、触れるの!? 『あれ…!?』 少年もびっくりしている。 はぁ…なんだこれ…まぁ今更驚かないけどさ。 「どうした少年? お前もトイレか?」 『違うよ! その…生きる意志が強かった(?)から生き返るなんて絶対おかしいよ!』 「そうは言っても現実に俺はここにいるんだが?」 俺自身納得してないしな。 あのおっさんを疑いたくはないが、絶対何か裏があるんだろうな。 それはそうと 「なぁ、手離してくれないか? 俺トイレに行きたいんだけど…」 『う、うん…ごめん』 ようやく手を離してくれた。 ふぅ…じゃあトイレに行くか。 ホームの階段を上る…後ろから足音がする。 ん?誰かが来ているのか? 駅員さん? 振り返ると…少年だった。まぁそんな気もしてた。 なんで足音するの? 『このまま目を離してるとお兄さん帰りそうだからね ついて行くよ』 やべえ、俺少年に憑かれた。
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